akareco では、お問い合わせ窓口として support@akareco.work という独自ドメインのメールアドレスを使っています。ただ、このアドレスのために Google Workspace のような有料のメールサービスは契約していません。ドメイン管理に使っている Cloudflare の無料機能と、普段使っている Gmail を組み合わせることで、受信も送信も 月0円 で運用しています。

この記事では、その設定手順をまとめます。次のような方に向いている構成です。

  • 独自ドメインを持っている(またはこれから取る)
  • info@support@ のようなアドレスを1〜2個使いたいだけ
  • そのためだけに月額のメールサービスを契約するのは大げさだと感じている

仕組み — 「実体のないアドレス」を転送と代行で成立させる

support@akareco.work は、実は「実体のあるメールボックス」ではありません。役割を2つに分けて成立させています。

  • 受信: Cloudflare の Email Routing が、support 宛のメールを個人の Gmail へ転送する
  • 送信: Gmail の「他のメールアドレスから送信」機能で、Gmail の SMTP サーバーが送信を代行する

ここでのポイントは、Cloudflare Email Routing は 受信・転送専用 で、送信用の SMTP を提供していないことです。だから送信側は Gmail 自身の SMTP(smtp.gmail.com)を使います。この分担さえ理解すれば、あとは設定するだけです。

事前に必要なもの

  • ドメインが Cloudflare で管理されていること
  • 個人の @gmail.com アカウント(Google Workspace の組織アカウントだと、管理者設定によっては後述のアプリパスワードが使えないことがあります)
  • その Google アカウントで 2段階認証が有効 になっていること

STEP 1: 受信設定(Cloudflare側)

まず「support 宛のメールが自分の Gmail に届く」状態を作ります。

  1. Cloudflare ダッシュボードにログインし、対象ドメインを選択
  2. 左メニューの Email → Email Routing を開く
  3. 初回は有効化する(案内に従うと、必要な MX レコードなどが自動で追加されます)
  4. Custom addresses で転送ルールを作成する
    • 転送元: support@あなたのドメイン
    • 転送先(Destination): 自分の個人 Gmail アドレス
  5. 転送先アドレスに確認メールが届くので、リンクをクリックして承認

これで受信側は完了です。試しに別のアドレスから送ってみると、個人の Gmail に届くはずです。

STEP 2: アプリパスワードを生成(Google側)

次は送信側の準備です。Gmail の SMTP を外部アドレスの送信に使うには、通常のログインパスワードではなく アプリパスワード が必要になります。

  1. ブラウザで https://myaccount.google.com/apppasswords を直接開く(見つからない場合は、Google アカウント設定の検索窓に「アプリ パスワード」と入力)
  2. アプリ名に任意の名前(例: Gmail SMTP)を入力して「作成」
  3. 16桁のパスワード が表示されるのでコピーする

この画面を閉じると 二度と表示されません。必ずその場で控えてください。

うまくいかないときは、次のどちらかであることが多いです。

  • ページが「利用できません」と表示される → 2段階認証の設定が最後まで完了していない
  • 会社や学校の管理アカウントを使っている → 管理者が機能を無効化している場合があるので、個人の @gmail.com アカウントで実施する

STEP 3: 送信設定(Gmail側)

最後に、Gmail から独自ドメインのアドレスとして送信できるようにします。

  1. Gmail 右上の歯車 → すべての設定を表示
  2. アカウントとインポート タブを開く
  3. 「他のメールアドレスからメールを送信」の 別のメールアドレスを追加 をクリック
  4. 情報を入力する
    • 名前: 送信者として表示したい名前
    • メールアドレス: support@あなたのドメイン
    • 「エイリアスとして扱う」の チェックを外す
  5. 次の画面で SMTP 情報を入力する
    • SMTP サーバー: smtp.gmail.com
    • ポート: 587
    • ユーザー名: 自分の @gmail.com アドレス
    • パスワード: STEP 2 で生成した 16桁のアプリパスワード
    • 接続: TLS
  6. 確認コードが support@あなたのドメイン 宛に送られます。STEP 1 の転送設定が済んでいるので、これも個人の Gmail に届きます
  7. コードを入力して承認すれば完了

つまずきやすいのは手順5のユーザー名とパスワードで、ここに入れるのはすべて 個人 Gmail アカウントの情報 です。support@ 側のパスワードではありません(そもそも実体がないので、パスワードは存在しません)。

以降は、メール作成画面の「From」欄をクリックすると送信元アドレスを切り替えられるようになります。

注意点 — メールの到達率について

この無料構成には、ひとつだけ割り切りが必要です。送信を実際に行うのは Gmail のサーバーなので、SPF / DKIM / DMARC といった送信ドメイン認証の整合を完全に取ることはできません。実用上の注意は次の2点です。

  • DMARC を設定する場合はポリシーを p=none にしておく(厳しくすると自分の送信メールが弾かれることがあります)
  • 相手側で、まれに迷惑メール判定される可能性はゼロではない

お問い合わせ窓口や個人利用には十分ですが、メールマガジンの配信やビジネスの基幹連絡など到達率が重要な用途なら、独自ドメイン用の正式なメールボックスを持てるサービス(Google Workspace や Zoho Mail など)への移行を検討するのがよいと思います。akareco でも、メールでのやり取りが本格化したタイミングで移行する前提の構成です。

まとめ

  • 受信は Cloudflare Email Routing の転送、送信は Gmail の SMTP 代行。この分担で独自ドメインのメールが月0円で送受信できる
  • 設定は「Cloudflareで転送 → アプリパスワード生成 → GmailにSMTP登録」の3ステップ
  • 到達率が問われる用途になったら、正式なメールサービスへ移行すればいい

この構成の良いところは、小さく始めて、必要になった時点で正式な構成に移行できることです。akareco では、Webサイトの構築だけでなく、ドメインやメールといった周辺の整備も含めてまるごと引き受けています。「サイトは作ったけど、この辺りが手つかず」という方は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。